キミの背中。~届け、ラスト一球~



あたしは苦笑しながら、ウインナーにフォークを刺した。


「明日、決勝かぁ……」


急に感傷に浸って言うと、草太が「なんだよ」と鼻で笑う。


「いや、なんかさぁ、去年負けた姿を見てるからさ……。
今度は絶対勝って欲しいって言うか、もうあんなに悲しむ姿は見たくないって言うかさぁ」


この微妙な気持ちをうまく伝えられず口ごもると、草太はミナから貰った冷たい麦茶をグイっと飲んで笑った。


「勝つよ」


草太があたしを見る。


あたしも草太を見上げると、草太は箸をあたしに向け目を細めた。


「おまえは何にしても心配し過ぎ」


「心配って言うか、あたしはただ勝って甲子園に行って欲しいだけだもん」


ブスッと頬を膨らませる。


去年、試合終了後、ひとり隠れて泣いてる草太を見てるから。


草太が泣くと、なんかあたしまで心が痛くなるから。


ただ、見たくないだけだし……。