キミの背中。~届け、ラスト一球~



「どこで食う?」


すぐに背後から草太の声が聞こえ、あたしはキョロキョロと影を探し、校舎横の非常階段の下を指差す。


グラウンドから少し離れる為、静かでおまけに風通りもよくて最高の場所。


あたし達は少し段差になってるコンクリートの上に並んで腰かけ、お弁当を開いた。


「明日、勝てそう?
さっきミナが調子いいって言ってたけど」


あたしはお弁当を開け、大きな卵焼きにフォークをさして草太に聞く。


「まぁ、悪くはないな」


そう言う草太は、おばさん手作りのお稲りさんをパクリと頬張る。


「おまえは?」


「え?」


「トランペット、明日吹けそうなの?」


大きなお稲りさんを一気に口に入れた草太の頬は、張り裂けそうになっている。


「うん。毎日、基礎練と筋トレしてたからね。吹けるようになったよ。
ただ、炎天下のもと長時間吹いた時、自分がどうなるかわからないけどね」