キミの背中。~届け、ラスト一球~



「うん!!
野球部どう?順調?」


あたしが聞くと、ミナは頭にかぶった野球部の紺色の帽子のつばを掴み、日差しを避けながら大きく頷く。


「明日、絶対優勝するよ」


ミナが興奮して言うので、あたし達は手を取り合いキャキャッとはしゃいだ。


「はしゃぎすぎだし」


あたし達の会話に割り込んで来た草太が、あたし達の真似をしてキャキャっと気持ち悪い声を出す。


あたしはチっと舌打ちをして口の端を引きつらせ、草太を睨んだ。


「今から休憩なんでしょ?
早く弁当持って来なさいよ」


あたしがふて腐れて言うと、草太とミナが眉を寄せ唇を尖らせながら不思議そうに笑う。


「なんだよ、その言い方。
キレてんのに、メシに誘ってんの?」


呆れたように草太が言った。


ユニフォーム姿の草太は、ミナと同じ紺色の帽子を取って袖でこめかみの汗を拭うと、弁当を取りに歩いて行った。


ミナはそれを見て肩をすくめて笑い、野球部員に冷たいお茶を配る為、手を振り別れた。