キミの背中。~届け、ラスト一球~



野球はとても調子がよかった。


1回戦に続き、2回戦3回戦と勝ち進み、なんと決勝まで上り詰めた。


『甲子園に出場したい』。部員みんなが、同じ気持ちだから強くなったんだと思う。


すごい……。



7月に入り、決勝を明日に控えた土曜日。


吹奏楽部は本番と同じく長時間合奏をすることになった。


今までの部活は、間で少し休憩をしていたけれど、今日は本番と同じ形で演奏をする。


頬の筋肉を付ける為に、あたしは毎日マウスピースだけを自宅に持ち帰り夜部屋で吹いていた。


腹式呼吸を意識して、ロングトーンの練習。


少しずつ頬が慣れてきたあたしは、途中で頬がけいれんすることが減少した。


それだけで、ちょっと安心。


部活の昼休み、野球部の調子を見ようとグラウンドを見下ろすと、野球部もちょうどお昼休憩に入ったところだった。


あたしはお弁当を持って階段を駆け下り、草太のもとに走る。


「あ~希歩~お疲れ~!!
今から休憩?」


あたしがグラウンドに着くと、体操服姿のミナが首から下げた白いタオルで汗を拭いて、顔いっぱいの笑顔になった。