キミの背中。~届け、ラスト一球~



「あたしもね、最初は新堂さんと全く一緒だった」


そう言って長谷川さんは肩をすくめて、あたしの隣の席に座った。


「あたしね、この高校に入学した時、吹部に入る気は全くなかったの」


長谷川さんがクスクスと笑う。


「だってさ、入学式の日、入場の時に吹部が演奏したの聞いてビックリしたもん。え?これが高校生の演奏?嘘でしょ?小学生みたいって」


それにあたしも笑う。


「あたし、本当はもっと上を目指したかったの。だって、ウチの吹部入ったって、どんな活動になるのか入学式の日でわかったんだもん。吹部入りたいけど気が乗らなかった」


……あたしと一緒だ。


「っていっても、あたしもそんな上手い方じゃないのにさ、ハハっ。笑えるよね~上を目指したいとかさ~」


「そんなことないと思う!!」


長谷川さんがハハハと笑うので、あたしは思わず力んで言ってしまった。


「そんなことない。長谷川さんは上手いよ。トランペットの音すごくキレイだもん。遠くまで貫くような長谷川さんの音色、あたし好きだよ」