ただ、時にはあまりにも冷たすぎてあたしを本気でイライラさせる時があるけど、最後は必ず支えてくれる。


草太のいい所と、悪い所。


いい所が多すぎて、悪い所がすぐに消されてしまうって、ある意味、草太の性格ってすごいと思う。


マウスピースで唇を鳴らし続け1時間以上経った頃、そろそろ楽器を手にしようとしたらグラウンドの方からバスの音が聞こえてきて窓から見下ろした。


試合を終えた野球部員達が次々にバスから降りてくる。


すると、陵雅さんが帽子をかぶりながらバスから降りて来て、あたしはひとり教室でピョンピョン飛び跳ねた。


陵雅さんお疲れ様!!


遠くから見ても、帽子で顔があまり見えなくても、陵雅さんって本当にカッコイイ!!


最後にバスから降りてきた草太が、グーッと伸びをして首を回した。


その瞬間、草太があたしのいる教室の方を向き、あたしが窓から見ているのに気づいた。