「こんなお守り、恥ずかしくてあげられないもん」
ツンと顎を出して草太に言う。
だけど草太はあたしの発言に言い返すこともせず、ただお守りを眺め、黒のエナメルバックの中に入れた。
「歪すぎてバックに付けられないってか」
もう草太の全ての行動が嫌みに感じて、鼻のスジにシワを寄せた。
「は?違うよ。これ表に付けてたら兄さんに見られるだろ?いいの?兄さんにないのに、俺、これおまえから貰ったって言って」
草太に言われ、あたしは慌てて首を激しく横に振る。
そんな必死なあたしを見て、草太が鼻で笑う。
「明日、頑張るかなぁ」
グーっと伸びをする草太。
「おう。頑張れよ。野球バカ」
言って、あたしはニッコリ口角を上げる。
あたしも頑張らなきゃな。トランペット。
あたしは、草太とコツンと拳を合わせ、自分にも気合いを入れた。



