その後、蓮龍会と思われる男は侵入罪ならびにわいせつ罪にて投獄された。


「おい、親父に伝えとけ!
あたしはあんたの元には戻らない。あたしの正義はここにある。あたしは蓮龍会と縁を切ったものだと。あたしはあんた達がやっていることを許さないと。」


数日後、その男が釈放されたことを凛子から聞いた。
蓮龍会が保釈金を支払ったらしい。
大体は予想ついていたとはいえ、手が早いことに驚いた。


「浩、大丈夫?」
「何が?大丈夫に決まってんじゃん。あたしにはここにいていいよっていう証があるんだから。」
浩の襟には、階級章があった。


「前から、渡そうと思っていた。手を出せ。」
小早川の声に涙を拭い、左手を差し出す。
小早川はポケットから小さく光るバッチを浩の手に置いた。


「こ、これ…。トッケイの…」
「そうだ、これまで以上に厳しいものになるが、お前なら大丈夫だろう。」


トッケイの階級章。
今のあたしにとってどれほど嬉しいことか。
ここにいていい証なのだと思った。