凜子がいなくなった更衣室に1人取り残された浩。
誰もいない更衣室は静まり返っていた。



肩の痛みがまだ残っているが、胴着のままでは自室に戻れないだろうと思い、ゆっくりと肩に負担を掛けないように着替え始めた。



「しっかし、1人ってさびしいな…」



帯を解くと、少し日に焼けた肌が現れる。
その肌には、女性かと思わせるほどのあざや擦り傷が多々あった。



「まぁた、こんな傷を作ってしまったかー…。これじゃあ、小早川少佐が言っていたこと、分かる気が…」



そこまで言って浩は、ぶんぶんと顔を振った。
そのせいで肩の痛みが増量した。



「いてぇぇぇぇ!!!何を考えているんだ!あいつを見返してやるんだ!!!」



肩の痛みに着替え途中で、蹲った。
もしかしたら、これは打撲じゃなくいて…と思うほどの痛みであった。



「はぁー、寮に帰んのめんどくさー。ここで寝るかー」



長椅子の上に横になって天井を仰ぐ。
着替えはまだ途中だが、横になると睡魔が襲ってきた。
日ごろの疲れがどっと、押し寄せてきたようだ。



上はブラジャーのみ、下は上半身を脱いだ胴着を着たまま。
そのまま、浩は眠りについてしまった。



「あ、そういえば…!」



凜子が業務をこなしながら思い出した。



「あたし、更衣室のカギ絞めてないや。でもま、浩ももう着替え終わって、施錠してくれるよね」



凜子はまた自分の業務に戻った。