「未咲さん、ありがとうございます」


「何かあったら言ってね。あたし達で良ければ役に立つし。奏哉のことこき使っても良いから」


この人に出会えて本当に良かったって思った


「未咲さん、頭痛い」


「泣きすぎて具合悪くなったのね」


“奏哉を呼ぶから待ってて”と言われ、あたしはソファーに寝転がった


「花歩、大丈夫か?」


頷く気力がないくらいだったけど、頑張って起き上がった


「無理はするなよ」


奏哉はあたしを抱き上げていた


お姫様だっこなんて恥ずかしいけど、今は素直に甘えることにした


「今日はやけに素直だな」


……あたしだって素直になるよ。


奏哉はあたしの言いたいことが分かったのか何も言わなかった


好きになってはいけない


でも、好きになってしまいそうなの。