「こんなの、花歩が負った傷に比べたらマシだよ」


あたしを安心させるように笑ってくれた


「奏哉君、連れてきたよ」


「あぁ、ありがとう」


「手当てしようね」


梨莉が連れてきたのは優月さんだった


「すみません。こんなことになってしまって」


「良いのよ。お疲れ様」


優月さんは丁寧且つ素早く手当てをしていた


「奏哉、学校は?」


「佐々木は事情を知ってるから大丈夫。」


「奏哉君は花歩の傍に居たいんだよ」


梨莉にそう言われたら恥ずかしいな


「終わったんだしゆっくり休むと良いよ。明日は帰れるんでしょ?」


梨莉の問いかけにゆっくりと頷いた


早く明日にならないかなー?


楽しみで仕方ない


「“楽しみで仕方ない”って顔してるな」


だって、帰れるんだよ?嬉しいに決まってる