「犯人は学生だったみたいよ。家族が不仲だったらしくてはらいせに暴れ出したらしいわ」


犯人が捕まったなら安心だ


これで怯えなくて済むんだね


ついでにこれ以上、恐ろしいことが起きないで欲しい


もう怖い思いはしたくない


誰かを失いたくない


そう思うと自然に涙が出てきた


「大丈夫。もう終わったから」


そう言って奏哉は涙を拭ってくれた


その優しさに再び涙する


「ごめんなさい。1つ言い忘れてました」


主治医の先生が再び入ってきた


「リハビリや治療と共に心のケアも必要だと思います。出来ることは対処しますので何か相談があったら言って下さいね」


主治医の先生は時計を見て慌てていた


それだけ忙しいんだろうな。


「あたしも帰るわね。奏哉、後は宜しく」


軽く頷いた奏哉を見て未咲さんは出て行った