「傷口がどの程度なのか見ておいて下さいね」


傷口は結構、長くて深い


これは痛いわけだな。


花歩を見るとあまりの痛さに顔を歪めていた


「奏哉」


名前を呼ばれて無意識に花歩の手を握った


今はこのくらいしか出来ないから。


「傷口が塞がるまで時間が掛かるみたいですので安静にしてて下さいね」


小さく頷いた花歩を見てから看護師さんは出て行った


「痛い。でも、頑張って耐える」


花歩は頑張り屋でもあり強がりでもある


「先生、もうすぐ学校始まるよね?授業遅れちゃうよ」


「それなら心配ない。校長には事情話してあるし、俺もちょくちょく見にくるし」


話によると俺と麻依が教えることになったらしい


いつの間にそんな決定事項が…


ちゃんと授業を聞けってことか。