「かしこまらないで下さい。花歩は人助けをした。後は無事に目を覚ましてくれるのを待つだけですから」


利一さんはそれだけ言うと寝てる花歩の顔を見て“また来る”と言って出て行った


「沙月!!あんた何処行ってたの?」


利一さんと入れ替わりで沙月の親が入って来た


「ごめんなさい」


そう謝る沙月は怯えてるように見えた


「沙月ちゃんのお母さん、そんなに怒らないであげて下さい」


「この子が目を離した隙に居なくなったんです!!あれだけ、注意したのに」


母さんがなだめても同じのようだ


「怒るママ、嫌い…」


小さく呟いた沙月


「あなた今、嫌いって言ったわね?母親に向かって。」


沙月のお袋は病室に響くくらい思いきり頬を叩いた


目に涙を溜めて必死に耐える沙月を放っておけなかった