「座って待ってような」


沙月を座らせてリンゴジュースを渡す


「奏哉!!花歩ちゃんは?」


慌てた様子で母さんと利一さんがやってきた


「今、検査中だよ。まだ出て来ない」


「そう…心配ね。さっちゃんよね?どうして此処に?」


母さんは沙月の存在に気付いた


「沙月が刃物を持った男に追い掛けられたらしいんだ。それで花歩が庇って刺されたんだよ」


沙月が泣き出しそうだったから抱き上げた


「奏哉君、花歩はこの子を庇ったんだね?」


俺はしっかりと頷く


「沙月、この人が庇ってくれたお姉ちゃんのお父さんだよ」


沙月に利一さんのことを教える


「おじちゃん、ごめんなさい」


沙月は涙を流しながら謝っていた


「謝らなくて良いよ。君は悪くないからね」


利一さんは沙月の頭を撫でながら話していた