「只でさえ熱あるんだから今は黙って抱かれとけ」


「そうだよ。無理したら倒れるよ?」


花歩は言い返すことなく俺の胸に顔を埋めた


「花歩の靴も持たなきゃだよね。」


麻依は下駄箱から花歩の靴を取り出し持っていた


花歩はというと眠っていた


……ダルいんだな。


「奏哉、こっち」


佐々木に手招きされて近寄る


「後は宜しくね」


麻依はそれだけ告げると花歩の頭を撫でて戻って行った


「乗れ」


俺は花歩を抱いたまま車に乗り込む


「花歩は寝てるのか?」


「はい。疲れが出たみたいですね」


今も多少、苦しそうだがさっきよりはだいぶ落ち着いてるみたいだ。


「着いた。荷物は持つから花歩を宜しく」


俺は花歩を抱き家に入る


「ただいま」


「お帰り。どうしたの?」


仕事中の母さんが出迎えてくれた