だけど、花歩は震えているように見えた


部屋に着き、そんな花歩を俺は後ろから抱きしめる


「震えてるじゃねーか。無理する必要はない」


「でも、今話さないといけない気がするの」


花歩の言葉は力強かった


「それにね、いつか会いそうな気がするんだ」


「元カレに…?」


俺の言葉に花歩は小さく頷いた


「溜め込みたくないの。奏哉は大好きになった人だもん。聞いて欲しい」


花歩の決意は固いようだ


「そっか。じゃあ、話して」


「話すならこうが良いな」


そういうと花歩は俺に抱きついて来た


「花歩が話しやすい体勢で居な」


「ありがとう」


俺に抱きついた花歩はいつも以上にくっ付いていた


それだけ不安なんだな


俺は花歩の頭を撫でる


花歩はゆっくりと口を開いた