双子の物語




「何それっ!凄いね。華菜って美人だし。でも、全く知らない人なんでしょ?」





「うん、多分。なんか、どこかであったような気もするんだけどね。気のせいだよ」





「そっか。その人ってどんな人?名前は?」





友達に彼氏ができて、恋ばなするのって、はじめてだから、嬉しくてついつい質問してしまう。





「えとね、名前は、野田陸くん。顔はかっこいいいほうかな?多分。私そういうのわかんない。性格は……まだ昨日の話だからわかんないけど、優しいって言うか、素直って言うか、そんな感じな人だよ」






華菜が、彼氏の……野田くんのことを喋っている顔が、心なしか、優しく笑っているように見えた。




「そっか」



私もそう言って、微笑んだ。