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「………本当にいない」




昨日の話の後、何事もなく楓と一緒にいて夜も一緒で。




でも、起きたらいつも隣にいる楓が、いなかった。




なんとなく淋しいような気もするけど、私が思い描いていた学寮生活は正にコレ。




まだ慣れないってだけのことだろう、と思っていた。




楓がワザと小さくしたはずなのに、やけに広く感じるベッド。




自分以外に音を出すモノはなく、シンと静まり返っている。




でも、きっとこれは慣れないだけなんだ、と思い込ませた。




楓にいてほしい、なんて負けたみたいでイヤだったから。




飽きるまで付き合ってあげよう、なんて大人ぶっちゃう自分がいた。