_________ 「ひなちゃーん。おおーい」 扉の外で呼びかけたら、意外と早くひなちゃんは出て来た。 寝起きっぽさは皆無、やっぱり楓がいるのかも。 早まる鼓動を無視して、あくまで自然と振る舞うように努める。 「えっと……暇だから来てみたんだけど」 「嘘モロばれ。楓くんならここにいるよ」 瞬時にバレたが、ひなちゃんに嘘は通用にないのは承知。 楓がいるとわかってむしろ心が踊った。