「血・・・?この世の中にヴァンパイアなんているはず・・・ないのに」

「ここにイルじゃないか?ほら、よく見てごらん」


蒼太さんはそう言うと立派なキバを見せた、というか見せつけてきた

まさか、本当に存在するなんて

驚きで言葉がでてこない


「これで分かっただろう?僕らは本当にヴァンパイアなんだ。」

「・・・でも、人間なんてそこらじゅうにいくらでもいるじゃないですか」

「ただの人間じゃダメなんだ、ちゃんと僕等にも好みと言う者があってね、それで僕等の好みにあてはまったのが君さ」

「なっ・・・」


私はどうやら最高に運が悪かったらしい

変なヴァンパイア集団の好みとやらに

ピッタリあてはまってしまったようだ


「そうそう、僕等は今、とても空腹でね、さっそくだけど君の血を味わわせてもらうよ」

「よっしゃぁやっとやっと飲める!」

「ダメダよ、翔太は4番目だよ、生まれた順・・・だからね」

「ちぇぇ」


えっちょっ!!何?私、今から確か5人いたヴァンパイア共に血を吸われるの!?

それで挙げ句の果てには干からびて死んじゃうの!?

やだやだやだー!!


「そんなに、怖がらなくても大丈夫さ、すぐに快感におぼれるだろうからね」


そんなことを言いながら蒼太さんは、どんどんと私に歩み寄ってくる

恐怖で体は言うことを聞いてくれそうにない

此処は従うしかないようだ


「さぁ、君の血はどんな味なんだろうね」


__ツゥゥ


「ひゃっ!!」

「おっと、その声、反則だよ」


我ながら変な声がでてしまった

でも当たり前であるヒンヤリとした細い指で首筋を撫でられたのだから


「それじゃぁ手始めに僕が味わわせてもらうよ」


そういい彼は私の首筋に牙を向けた