少し錆びた部室のドアを開けると、陽葵が洗濯物を畳んでる。
「陽葵じゃん…」
「あっ…蓮斗」
いかにも偶然を装って部室に入る俺。
シーンとした部室の空気が今はなんだか重たい。
まず、陽葵を傷つけたことに対して謝らなきゃだ。
「陽葵…前は…ごめん。イライラしてて、さ。多分陽葵に当たった」
「…ううん。あたしもごめんね。蓮斗は辛かったのに…あたし無神経だ」
「無神経じゃねーよ。俺もカッコつけて陽葵を頼ろうとしなかった」
「頼って?あたしのこと…」
洗濯物を畳む手をとめて切なそうに下を向いた。
こんな風にして陽葵といたいわけじゃない。
陽葵とは笑って一緒にいたいんだ。