そこには、練習をフラリと抜けてきた颯太がいた。
「颯太かよ」
容姿端麗、頭脳明晰、運動神経抜群のコイツのことが俺は苦手。
「足は怪我するし、ポジション俺に取られるし、彼女とうまくいってないし…ってトコ?」
おまけに人のことを知ってる。
なんで全部知ってんだよコイツ!!
「関係ねーじゃん、お前に。つーか早く練習戻れっ」
「関係あるよ。大切な恵梨菜の友達の彼氏だもん」
「うるせーよ。恵梨菜ちゃんと付き合ってもないのに」
「本気で振り向かせてないだけだから、俺が」
「振り向いてくれないの間違いじゃなくて?」
下を向いてショボンとする。
図星じゃんかよ。

