なんだかわかんないけど、このままじゃヤバいことはわかった。
こうゆう時に取りあえず頼りになるのは…
「梨結ちゃん!ちょっと…」
「ん?なに?」
今は梨結ちゃんが必要。
控え室に荷物だけ置いて、側にある外に繋がる扉から外に出た。
生ぬるい風が通り抜ける。
「ちょっとなによー。本番前なのに」
「あのさ…膝痛いかも…」
「は?…膝痛いかもじゃないわよ!今すぐ監督に話して交代とか考えないとっ…」
「ダメ!言うな!」
「なんでよ!」
梨結ちゃんは半分キレた感じで俺に言い返す。
キレる気持ちもわかるけど…
監督に言ってほしくない。
それに監督の耳に入ると、自然と陽葵の耳にも入るから。
陽葵に言ったら心配されそうだし、心配かけたくないから言えない。

