シーンと静まりかえる空気に波の音だけが響く。
それと同時にあたしの心臓も音をたてる。
「陽葵は俺といて満足?」
「あたしは一緒にいれるだけで満足だよ」
「かわいいこと言ってくれんじゃーん」
「かわいくないってば」
雑にあたしの頭をくしゃっと撫でる蓮斗の手に安心する。
「練習とか無理しないでね?」
「するわけない」
「…よかった」
練習で無理して蓮斗が怪我するのは嫌だから。
あたしと蓮斗はそれから、少しの間海にいて合宿所に帰った。
寝坊しないように、と思って早めに寝たのに案の定あたしは寝坊しちゃった…
蓮斗も寝坊したって聞いて、よく似てるねって恵梨菜に笑われたのは言うまでもない。

