俺が玄関に行くと陽葵は雨を眺めてボーッとしてる。
あれ…陽葵も傘持ってない。
もしかして…
「陽葵?」
「あ、蓮斗!どうしよう…傘忘れちゃったよ」
「俺もさ」
二人で苦笑して雨を眺める。
やむ気配は一切なし。
「蓮斗…あたしの家で雨宿りする?」
「陽葵の家?」
「うん。走れば10分ぐらいで着くよ」
「すんません。お邪魔します…」
「いいよ、全然!」
俺は陽葵の手をぎゅっと握って雨の中を走る。
何回も送ってるおかげで陽葵の家は覚えたから。
7階建てのマンションで陽葵からは5階ってことだけは聞いてる。
なんか彼女の家行くって楽しみ…。

