あたしは、折り畳み傘を開いて歩こうとすると蓮斗が後ろからガバッと抱きついてきた。
うわっ!
すっごい恥ずかしい…!!
「俺、傘ないから相合い傘…しよーよ!」
「えっ!う、うん…どうぞ」
あたしが傘の中に蓮斗を入れると、蓮斗があたしの傘を持ってくれた。
優しい…。
心臓がドキドキと鳴る。
「あのさ…あたしの傘よかったら使って?」
「え?いいの?マジで助かる~」
「家遠いみたいだし…風邪引いたら困るから」
「優しいなぁ、陽葵はほんとに」
蓮斗の方が優しいよ。
だってあたしの方にばっか傘向けるから、蓮斗の肩濡れちゃってるじゃん。
本気でどんどん好きが募る。
雨なのに、こんなテンションが上がるのは蓮斗のおかげだね。

