クンクンと嗅ぐ仕草が小動物みたいでかわいすぎる。
「蓮斗の匂いする…。いい匂い」
「臭いって言われなくてよかった」
陽葵は笑いながら、香水のショーケースに目をやった。
「あたし香水って持ってないんだ~。いい匂いのほしいな」
彼女が欲しがる物は買ってあげたい。
意外と高いし…。
「蓮斗~次はどこ行こっか」
「どこでもいいよ。陽葵の好きなとこなら」
「じゃあね~…」
最初の頃と比べると、たくさん話してくれるようになった。
それだけで嬉しい。
「あ…そいえば陽葵の誕生日っていつ?」
「5月だよ」
「もう5月になってんじゃん!」
「早いよね」
じゃなくて!
誕生日プレゼントとかどうしよ…。