体育館で先輩達に混ざってベンチに入ってるのは俺と律唏だけ。
こうゆう雰囲気ってやりにくいんだよな~。
先輩いるから気抜けないって感じ。
「おい…蓮斗!他校来たぜ…。強そー」
「俺らには試合する権利はないと思うから安心しろ」
「やっぱ出してもらえねーかなぁ」
「まだ夏じゃねぇし。ベンチに入れてるだけでも感謝」
ほんとなら陽葵にカッコいいとこ見せたいんだけど…
先輩って生き物がいるから無理だなぁ…。
先輩達が立ち上がってぞろぞろと体育館の床をバッシュで踏む。
バッシュ独特の耳に響く音がする。
陽葵…陽葵…陽葵は~…いた。
体育館の二階部分の入り口から見てた。
もっと近くに来たらいいのに。
「あー試合出たい!」
律唏に同じだって俺も。

