だから、少しでも陽葵が寂しい思いしないように…


俺は制服のポケットから、陽葵へのプレゼントを出した。


シルバーリングを陽葵の左手薬指にはめる。


「もう少し待ってて。ちゃんとしたの買うから」

「うん…待ってるよ…」


この指輪は陽葵の薬指を俺が予約してるってこと。


だから、大学卒業して働くようになったらちゃんとした指輪買ってやる。


「この指輪…ずっと付けるね!大学でも付ける…ありがとう」

「他の男が寄り付かないためでもあるから!」

「あたし蓮斗しか好きじゃないもん」

「ヤバい…ほんとに嬉しいわ…」


ぎゅっと抱き合ってから、またキスをした。


今度は寂しいキスじゃなくて、笑顔でこの先を楽しみにするキス。


ちゃんと待っててな…陽葵。