昼間なのに蓮斗はあたしを家まで送ってくれる。

今度は受験の時とは違って、手を繋いで送ってくれるの。


あたしの首には、あったかい蓮斗のマフラー。


「蓮斗は卒業したい?」

「まぁ~したいちゃしたいかな」

「離れるの寂しくないの…?」

「寂しいよ。でも寂しがってるだけじゃ進めないから」


蓮斗の言葉が少し大人びた!


みんなだんだん大人になってくんだよね……。


「じゃっ!卒業式までまたな」

「うん……」

「…おいで?」


寂しくてあたしは蓮斗に甘えた。


蓮斗の腕の中のあたたかさを忘れないように、ぎゅっと抱きつく。


卒業式は楽しみなようで、やっぱり寂しい。


蓮斗の言う通り、進むためには大切だよね。