【陽葵side】
嬉しくて、すごく嬉しくて…
あたしは走って駅に向かう。
一足先に大学に合格した蓮斗に、あたしが合否を伝えに行く。
「蓮斗!!」
「陽葵!…どうだった!?」
「これ見て!」
「望月陽葵様………合格!おめでとー!」
「蓮斗もおめでとう!」
握りしめて少しぐちゃぐちゃになった合格通知を蓮斗に見せる。
あたしは蓮斗の胸にダイブして抱きしめてもらって……
久しぶりに感じる温もりは最高級に幸せ。
「約束通り二人で合格できたなっ!」
「距離置いたのは寂しかったけど…今はすっごく幸せ!」
「俺も!あとは卒業するだけだな…」
「そうだね…」
ちょうど一週間後は、あたし達の卒業式。
長いようで短かった三年間を締めくくる最後の行事。
卒業式………したくないな。