「ねー!ちょっとそれ本気で言ってんの!?」
「本気だよ。あたしなりに考えたんだから」
「だからって、そこまでしなくても……」
「うん…でもねぇ」
塾の帰り道。
恵梨菜と二人で肌寒い公園に寄る。
恵梨菜も同じ塾に通っていて、今日はたまたま時間が合ったから一緒に帰って来た。
一人の暗い帰り道より、恵梨菜がいる帰り道の方がすごく明るい。
「でー…それを明日の放課後に蓮斗くんに言うの?」
「うん…。別れるんじゃなくて、受験だから距離置くだけね」
「お互い勉強に集中しやすいようにってことか………陽葵も考えたね」
「やっぱりこうするしかないの。会えないの辛いけど」
「辛いならどうして……っ」
辛いけど、するしかないの。
これはあたしだけじゃなく、蓮斗のためでもあるの。

