だから、結局勉強してるのはあたしだけ。


蓮斗はあたしの向かいでジュースを飲んで、ケータイいじってる。


勉強しなさい!って言ってもしないから困りものなんだよなぁ~…。


「……あのさ、陽葵」

「んー?どうしたの?」

「陽葵に俺の大学のこと言ってねぇよな?」

「あーうん。聞いてないね」

「話すわ」


改まった感じで話そうとするから、思わずあたしのペンを動かす手も止まる。


少し寂しそうな笑顔で話す。


「俺の大学さ…かなり遠いとこにあって」

「うん」

「だから4年間向こうで下宿するから。なかなか会えなくなる…わ」

「………4年間、か。そっか」

「ん。ちなみに律唏も同じ大学だ」


ってことは、梨結ちゃんもあたしと同じ寂しい思いするの?


寂しいのはヤダ。


蓮斗がいないのはもっとヤダ。


でも、我慢するしかないよね……。