パラパラとノートをめくりながら、陽葵は最初の方のページで手を止めてる。
俺なんか落書きとかしてたっけ?
「やっぱり部長さんはチーム全体のこと考えてるんだね」
「え?……うわっ、消すの忘れてた」
新しく入ってきた部員の名前とポジション、全て覚えるのに書いたもの。
名前と顔、ポジションとかを部長として把握できるようにしてた俺なりの考え。
「改めてすごいなぁ~って感心する」
「なんかすっげー恥ずかしい気分なんだけど」
「恥ずかしいことじゃないよ。むしろ自慢すべきじゃない?」
「陽葵は誉め上手だな。さすが俺の彼女!」
「やめてよ~照れる!」
よかった……
ちゃんと元気になってるな。
電話するのも迷惑だと思って、陽葵とはメールのやり取りのみだった。
やっぱ顔見ないと不安で心配でしょうがない。
あ、そうだ。
陽葵に差し入れあげなきゃだ。

