あたしが目を開けると、カーテンの閉まってない部屋は真っ暗。
だけど手に触れる優しい感触。
温かい蓮斗の手。
あたしのベッドに頭を乗せて寝てしまってる。
「……お疲れ様です。ありがとう」
蓮斗に聞こえてるはずない感謝をポツリと言い体温計に手を伸ばす。
「37度か…」
「んっ……陽葵?」
「あっ、起こしちゃった?ごめんね」
「ううん大丈夫。それより…熱は?」
「だいぶ下がったよ」
蓮斗の少し茶色の髪にふわりと触れる。
そのまま頭を撫でると、寝てるあたしに寄ってきた。
かわいい…!
「無理すんなよ…」
「ふふっ…ありがと」
寝起きの掠れた声で言う蓮斗にドキッとしながら、あたしは蓮斗に帰るように言った。
遅いし、もう一人でも大丈夫。
明日は病院行かなきゃね。
ありがとう蓮斗。

