心配性な蓮斗はあたしのマンションのドアの前まで身体を支えて送ってくれた。
あたしを支えてくれる手が嬉しすぎる。
「じゃあ、蓮斗…今日はありがとう。すっごく助かった!」
「それはよかった。陽葵もゆっくりしろよ?」
「うん……。ただいま~」
蓮斗に身体を支えてもらいながら、玄関に入ると誰も返事をしてくれない。
あ、あれ?
お母さんは仕事…
玄関の靴箱に白いメモに書かれた置き手紙を読んだ。
『急に仕事が入っちゃった!帰り遅くなるね!』
「陽葵…お父さんは?」
「明日の夕方に帰ってくる…」
「夜まで誰も帰って来ない感じ?」
「うん…そんな感じかな…」
どうしよう。
一人じゃ具合悪くて動くの大変だし……。
でも頑張れば大丈夫だよね。

