インターハイ会場からの帰り道。
現地解散になったから、あたしと蓮斗は二人っきり。
盛り上がって話せそうな雰囲気でもなかいし、何話したらいいか分かんない…
「元気ねぇーな、陽葵ちゃん。陽葵が元気ないとダメージデカイわっ!」
「……蓮斗?」
「んー?」
「無理しなくていいよ。あたししかいないし…キャプテンだからって強がんなくていんだよ」
「俺、見透かされてる!?……でも陽葵の前で泣くのヤダ。強くいさせて?」
蓮斗の短所やっと見つけた。
強がりすぎる。
その強がりを見てるの辛いのに……。
「お願い……あたしの前では強がらないで?そのままの蓮斗でいてほしい…」
「そんなこと言われたら俺甘えるよ~?」
「いいじゃん。今日くらい。ねっ?」
「うわー…すっげー恥ずかしい…」
誰もいない夕方の公園で、蓮斗があたしの肩で初めて泣いた。
でも蓮斗は弱虫なんかじゃないよ?
強がりすぎるだけ。
キャプテンお疲れ様でした。

