料理部の体験入部に行ったものの、結局は入部届け書いちゃったあたしと恵梨菜。


まぁ月に1、2回の活動だし部活の掛け持ちもオッケーなゆるい部活だからいっか。


「クッキーとか久しぶりに作ったかも~。家帰ったら食べよっと♪」

「あたしもそうしようかな」

「え~陽葵は違うじゃん!旦那様にあげて~…ってアレ旦那様じゃない?」

「あ…蓮斗くん…じゃなくて蓮斗」


恵梨菜の指差す方を見ると、色白でキレイな茶髪の小柄な女の子がいた。


小さくて細くて…守ってあげたくなる感じ。

あたしには無い要素がたくさんあるんだ…きっと。


「陽葵…行って来なさいよ。逃げちゃダメだと思う。ここで」

「だ、だよね。じゃっ行って来ます!」

「行ってらっしゃい!」


恵梨菜に背中をトンと押されて、蓮斗のいる靴箱のとこまで歩いてく。