熱気で暑くなるほど盛り上がってるインターハイの会場。
大会が始まってから勝ち続けてきて、やっと優勝に近くなった。
控え室でさすがに緊張した様子の蓮斗。
彼女だけど、マネージャーのあたしには蓮斗に何もしてあげることが出来ない。
歯痒いよ………。
「陽葵、ちょっといい?」
「なぁに蓮斗?」
蓮斗に連れ出された場所は控え室の外。
誰も通らない静かな廊下に、会場の盛り上がりだけけが聞こえる。
「俺さ……今日の試合絶対勝ちたい」
「あたしだって蓮斗に勝ってほしいよ」
「でも今日の相手校知ってる?」
「えっと…うん…知ってる」
毎年、インターハイで優勝してる超強豪校。
当たりが悪かった…
この学校と当たらなければ、準決勝まではいけたはず。
「とりあえず出来る限りのことはしてみるからさ……陽葵の応援あれば勝てるわっ!」
「もちろん!あたし蓮斗のこと応援するよっ」
蓮斗の緊張が、あたしといる間に少しでも解ければいいな……。

