パシン……
乾いた音が明け方のマンションに響く。
「…いった…」
……あたし、ビンタしちゃったんだ。
「いい加減にしてよ。あたしと蓮斗の仲を汚い手で引き裂こうなんて最低です」
「……私です。…蓮斗さんと釣り合うのは私ですっ!モデルのあたしが釣り合うの!」
「そんなのわかってる…。あたしが蓮斗と釣り合ってないの…わかってる」
「そんなこと言うんじゃねーよ。…もう帰ってくれる?」
蓮斗はあたしの頭を撫でて、あたしが泣きそうなのを宥めてくれる。
でもね、蓮斗…
あたし悔しいの。
釣り合ってないの自分でも痛いほど知ってるから。
「だからっ……あたしだって蓮斗に嫌われたくなくて必死なの!」
「…っ」
ほんとに、ほんとに必死なんだよ。
蓮斗のこと大好きだから。

