そもそも、男の子にバレンタインチョコをあげるのは初めてで……
どうしていいかわからないのが本音。
蓮斗喜んでくれるかな…?
でも誰かに相談しないとダメな臆病なあたしは恵梨菜のところに行った。
部員の洗濯をして、なにやらお仕事中。
「えーりちゃん」
「うわっ!びっくりした!それ、颯太と同じ呼び方じゃん」
「ごめんねぇ~」
「で…なんの相談よ?仕事中に来るってことは相談あるんだよね」
「まぁそうなんだけど……」
洗濯機の近くにあるベンチに座ると、恵梨菜も隣に座った。
いつもあたしの話を優しく聞いてくれるの。
「あたし……男の子にバレンタインって初めてで…どうしたらいいかわかんない…」
「そっか…。じゃあさ、もし蓮斗くんから焦げた見るも無惨なケーキをもらったらどうする?」
焦げた見るも無惨なケーキ!?
びっくりするだろうな…
でも、それがあたしのためだけに一生懸命作ってくれた物だとしたら?

