教室に入ると、バスケ部のユニフォームの上からパーカーを羽織った風間蓮斗が…。
ユニフォームってなんかカッコいいんだけど!
「よろしくねー陽葵ちゃん」
「う、うん!よろしく~…」
あたしは風間蓮斗くんの前の席の椅子だけ借りて後ろを向く。
やっぱ近くで見てもイケメン…。
「数学得意?」
「俺?苦手ー。中学ん時、いっつも10点だった」
「そうなんだ…」
「ま、勉強よりバスケの方が好きだしー!陽葵ちゃんはなんか好きなのないの?」
好きなの…?
ん~…っと…
「ネコ。ネコが好き」
「マジで?俺もネコ好き!飼ってる?」
「ううん。飼ってないけど好き。風間くんは?」
名前で呼ぼうかと思ったけど、図々しく思われたら嫌だからやめた。
名字で呼ぶ方が安定するしね…きっと。

