いつの間にか寝てしまってた俺は、ルリからの着信で目が覚めた。
携帯を手に取り、寝起きで出にくい声を出す。
「ルリかよ……」
『ルリかよ、じゃないわよ!なんなの!?電話出ないとかっ!』
「わりぃ…」
朝から耳がキーンとする。
『ねーぇ、今日会えない?』
「…会えない」
『えっ!?どーしてよ!』
「彼女と会うから…ごめん」
それだけ言って電話を切った。
もちろん彼女と会う約束なんて一切してない。
だけど、電話がダメならメールがあるじゃん。
『今日の夕方5時に学校前の駅で待ち合わせ』
本文はこれだけ。
陽葵も来てくれるか、わかんないし。
けど、陽葵が来なくても俺は駅まで行って待ってる。
陽葵にルリとのことちゃんと話したいから。

