泣きそうになるのをこらえながら、あたしは続ける。
「蓮斗…恋ってちょっと切ないんだね…」
「陽葵…マジで言ってんのか…」
「別れよう。…ルリさんとお幸せに」
「ルリとは付き合ってねーよ!」
「だったら、あたしが好きって証明してよ!」
泣いて、泣いて、蓮斗から逃げた。
そのまま走って家に帰って……
共働きだから家には、あたし一人。
かすかに震える指をぎゅっと握りしめて部屋で小さく座り込む。
どうしてあたしじゃなくてルリさんなの?
やっぱり、あたしじゃ蓮斗と釣り合わないのかな?
蓮斗の一番大好きな人でいたかったよ…。
鳴り続ける蓮斗からの連絡は全て無視。
あんな風にケンカ別れしちゃったら、電話なんて素直に出れないあたし。
クリスマスが一日中泣く日なんて有り得ない…。

