【陽葵side】



秋が深まり、夏の涼しさがだんだんと消えてく10月。


あたしの学校は体育祭の時期に入った。


体育祭はもう数日後の話で、あたしと恵梨菜はバレーに出る。


ちなみに、蓮斗、律唏くん、颯太くんはバスケに出るって。


クラスごとに体育祭の練習をしていると、体育館の隅で休憩してるあたしと恵梨菜のところに梨結ちゃんが来た。


「はぁ~…」

「ちょっとどうしたのよ!梨結~」

「どうしたの?梨結ちゃん…?」


いつもポジティブな梨結ちゃんがため息をついてしまってる。


これは大事に違いないよね!?


「最近変なの…。ある人を見てると胸がぎゅーって苦しくなる感じがして…」

「それは俗に言う恋煩いじゃない!?」

「梨結ちゃん誰かに恋してるの!?」

「ある人って誰よ?」


ついつい質問責めにしてしまうあたしと恵梨菜。

こんなこと律唏くんが聞いたら、落ち込んじゃうんだろうな…。