探しても探しても見当たらないガラスの靴。
人に聞いてもみんなわかんないって言うし…。
ほんとにどこにあるの~…。
「あ、陽葵じゃーん!なにしてんの?」
「どうしよう蓮斗!…ガラスの靴がないの…」
「…ちょっと抜け出そっか」
「えっ!ちょ、ちょっと!」
蓮斗に手を引っ張られて向かった先は、生徒がなかなか使わない階段。
真っ直ぐ続く廊下から歩き、階段を降りようとすると……
「ガラスの靴…!」
「あ、ほんとだ。…おいで?俺だけのシンデレラ」
優しく手を引かれて、階段に座らされた。
上履きを脱がされて片足にガラスの靴がぴったりはまる。
ちょっと、蓮斗がすっごいカッコいいんだけど…。

