シンデレラのキャストも決まり、さっそく準備をするため、あたしと蓮斗で空き教室を借りに行った。


二人だけで歩く廊下は静かで、なんかドキドキする。


「俺さ…別に王子やってもよかったんだよね」

「えっ?」


意外すぎる蓮斗の言葉。


なんだか不安になってくよ…。


「陽葵がシンデレラやるって言ったら、俺絶対に王子やってた」

「嘘だ~…。台詞覚えらんねーとか言ってたのに?」

「陽葵の王子役のためなら覚えるし」

「……ありがとう」


顔が熱い。


サラッとカッコいいこと言っちゃう蓮斗にドキドキするばっかり。


空き教室の鍵を指でクルクルと回す蓮斗は余裕の表情。


蓮斗が余裕で羨ましい!