目薬を入れて目をぎゅっと瞑る。

よし、バッチリ。


「目の調子悪いの?メガネは…?」

「バスケやってるからメガネはちょっと…ね」

「…明日返してくれればいいから」

「え?持ってていいの?」

「うん。家に同じ目薬もう1個あるからいいよ」


俺の手に目薬を渡して帰ってしまった。


優しい子。


つーか俺、あの子の名前聞いてなかったし…。


手に持ってる目薬に目をやると、黒ペンで文字が書いてあった。


「ひまり…?」


ひまりって文字のあとにネコのシール。


ひまりちゃんね…

見掛けによらずかわいいかも。