鬱になれる短編集

親友は慌てて傍らの銃を手に取った。そして構える。少女に。

「私を殺しても遅いよ」

床に仰向けになりながら言う。あごを引いてこちらを見ていた。優しい笑みを浮かべて。

「私を連れ込んだことで位置はもうバレてる」

くすり、と笑う少女。
親友は窓から戦場を見下ろす。
敵は五名。弾は三発。

「いつまでも逃げられると思ったの? 馬鹿な人」

親友は兵士達をスコープ越しに見下ろしていた。徐々に大きくなる少女の笑いを無視して敵に放つ。